北海道佐呂間町を事務所と札幌市のアトリエを拠点に、北海道を代表する建築家・五十嵐淳のサイト。建築紹介、住宅設計・新築・マイホームに関するご相談などにも応える。

jun igarashi architects
illustration by Midori Kambara
© 2002-2009 Jun Igarashi Architects

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四国建築巡り 2日目


犬島の見学ツアーは金・土・日の3日間しか運行していなく、
直島9時15分発→犬島→直島13時30着で見てきました。
事前に予約が必要なので、これから行かれる方は要チェックです。

犬島ウェヴ0

生憎の雨でしたが、
それが余計にこの島の雰囲気に合っていました。
行って先ず驚いたのは、
この島が元々持っているコンテクストの強さ。
恐ろしく魅力的な「場」でした。

犬島ウェヴ1

その敷地内に三分一さんが美術館を設計しました。
写真や図面など雑誌掲載内容はそれなりに見ていたつもりでしたが、
行ってみて色々な事を理解出来ました。
僕は勝手に既存の産業遺産と複雑に新築部分が絡まりながら、
建築が作られていると思っていました。
しかし実際は煙突以外は更地の状態からの新築でした。
その新築部分と既存部分の違和感無く共存している佇まい、
とても良い仕事をしているなと感じました。

犬島ウェヴ2

内部はパビリオンの様な構成で、
案内に従って移動しながら見学していくと言う、
少々窮屈な見学方式でしたし、
空間構成がアーティストの意向が強すぎるようにも思いましたが、
その強い意向を見事に空間化している、
三分一さんの旨さを感じます。

機械による換気空調を一切行わず、
空気の流れを調整しているとの事で、
真夏の暑い日にも再度訪れて見たいと思いました。

もっとジックリとこの場に身を置き見学したい所でしたが、
見学のプログラムがそれを許してくれず、
そこがとても残念でした。


直島ウェヴ1

午後に直島に戻り、
家プロジェクトなどを見学。
4年半前には無かった千住さんや大竹さんのを見れて良かった。
更に内藤さんの作品は予約していなかったのですが、
ベネッセハウスの支配人の方の計らいで見学させて頂きました。
この様なプロジェクトが点在しているのは楽しいです。

直島ウェヴ2

海の駅は西沢立衛さん設計。
このスケールとしては考えられない構造のプロポーション。
違和感無く海の駅として機能しているのがとても印象的。

色々と堪能した後、
地中美術館へ。
やはり2度見ると建物の印象は随分と変わる。
一通り見学後、ナイトプログラムに参加。
これはタレルの作品を夕焼けから夜まで堪能できるもの。
空の色の変化とタレルの光の演出は楽しめましたが、
45分と言う少々長めの時間設定の根拠は理解出来ません。
正直、もう少し短くても十分に意図を表現出来るのでは??

夜はオーバルに宿泊。
楕円の水盤がある中庭も、
諸室の配置も、
屋上や動線の計画も、
全てにおいて素晴らしい建築だと思いました。
泊まれて良かったです。

直島と犬島を堪能した1日でした。



四国建築巡り 1日目


早朝便で千歳から羽田経由で高松入り。
当初、午後1時過ぎには到着の予定が、
千歳便の出発が遅れ乗り継ぎ便が変更になり、
午後4時過ぎに高松空港に到着。

ロビーで今回、色々とお世話になった
後藤哲夫さんと合流。
http://www.gototetsuo.com/

後藤さんの案内で、栗林公園内にある、
「掬月亭」を見学。

掬月邸外観ウェヴ

江戸時代後期に建てられた数奇屋。
鋭く軽い屋根と、それを支える繊細な柱。

掬月邸内観ウェヴ

内部は雨戸と障子を開放すると、
3方向に庭が広がる。

この空間でお弁当を食べました。
完全貸切状態で、なんとも贅沢な体験。

この建物は新建築社が2005年11月に出版している、
「日本の建築空間」にも載っていて解説が出ているので、
詳しくはそちらも見てみて下さい。(P163)

素晴らしい建築なので、
お弁当を予約して空間を堪能するのが、
最高にお勧めです!!


香川県庁舎ウェヴ

次に香川県庁舎へ。
1958年、丹下健三氏によるもの。
現場打ちとは思えぬほど、
繊細で美しい構造躯体。
こちらも「日本の建築空間」のP258に載ってます。

高松到着後、いきなり素晴らしい建築を体験。

その後、フェリーターミナルまで送って頂き、
一路、直島へ移動。
午後7時に到着しベネッセハウスのミュージアムへ。
食事後、ミュージアムを鑑賞。
以前来たのが4年半前ですが、
展示作品は殆んど変化なし。
しかし初めて宿泊したのでお部屋などが見れて良かった。

移動も含め、慌しい1日でした。


旅の記憶。

ロンシャン1
とある原稿を書く為に、旅行の写真を引っ張り出し、
色々と懐かしく眺めていた。
原稿の題材をロンシャンの教会に決め、
使用する写真を何点か選んだ。

ロンシャン2
そんな中に忘れかけていた視線の写真何点かに、ハッとする。
丸1日、体験してきたロンシャンだったが、
記憶から消えているモノが沢山あることに気が付く。

ロンシャン3
自分の視線に心地よく感じ、
そのような感覚がまたはっきりと自分の中に蘇る。
こういう作業も大切なのかと思う。



続、東京。

ギャラ間1
多摩美図書館を見学後、学食で昼食。
昼からギャラリー間で開催中のアトリエ・ワン展へ。
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex070308/index.htm
入り口を入ると巨大な仮設空間が現われた。
そこでは定期的に人形劇が開催されているようである。
中庭に進むとリムジン屋台が現われる。
そして2階へ進むと過去の主要作品と進行中プロジェクトの模型が展示されている。
素材やディテールまで細やかな模型が同じ縮尺で並ぶ。
進行中プロジェクトの規模が大きいことが分かる。
完成が待ち遠しい。。

GA展1
次にGAギャラリーへ。
やはり縮尺の大きな模型があるプロジェクトに目が行く。
そしてやはり模型があるほうが色々と把握し易い。
垢抜けた模型や展示を見るのは勉強になります。

東京最終日は、日本エンバイロケミカルズが日経BP広告賞を受賞したので、
その授賞式に一緒に出席した。
http://www.jechem.co.jp/
建築以外の広告も沢山見れて楽しい授賞式であった。
授賞式後の懇親会もとても豪華。

中々無謀な日程でしたが色々見られた楽しい東京でした。



多摩美図書館。

多摩美2
朝9時より建設通信新聞社の取材を1時間ほど受ける。
その後、多摩美の図書館へ。
バスを降りると直ぐにファサードが見えてくる。
傾斜した敷地を登るように建物に近づく。
バス停側の建物の壁は緩くカーブしている。
そのカーブにアーチがあり、コンクリートとガラスはまっ平ら。

多摩美3
ガラスの足元は受けの枠を消去。
上部も小さな点のみでガラスを押さえている。
本当に同面で枠無し。

多摩美4
足元角の写真。
恐ろしくピン角である。

多摩美1
傾斜した床に、不均質な細い柱脚が接し、
不均質なアーチが繋がっている。
その向こうから外光が入り、室内に充満していく。

多摩美5
外周部のガラス面に掛けられているカーテン。
薄いオーガンジーのような素材に、
タオル地のような素材が、アーチのようなパターンで接している。

多摩美6
2階にある家具。
心地よい大きさと素材。

多摩美7
階段より見下ろす。
フェルトにジッパーの椅子。

多摩美8
2階の閉架書庫。
仮設家具のような作り。

多摩美9
梁と閉架書庫棚との取り合い。

全ての選択が正しくシンプルであるように感じた。
そしてそれが極限にまで到達している。
「仕立て」を意識的に良いバランスで究極にまで操作するという事。
嫌味な感じを微塵も感じさせないバランス感覚。
やはり恐ろしい人だ。。