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jun igarashi architects
illustration by Midori Kambara
© 2002-2009 Jun Igarashi Architects

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長崎・佐世保・白井晟一


ちょっと時間が経ちましたが、
昨年末に長崎に行ってきました。

はじめて行きましたが、
街そのものがとても面白かった。

長崎ではとにかく歩き回る。
坂を上り、路地を歩き、また坂を上る。

路面電車に乗り移動し、
また坂を上り路地を歩く。

電車も路地も坂も、
全てが人の縮尺で出来ている、
そんな感覚になる。

都市を計画するとき、
「人」の事は当然、大前提として考えているのだとは思うが、
結果出来上がる建築や道路や坂は、
「人」の縮尺とは掛け離れたものになっている。

長崎は坂が邪魔をして広い道路を作ることが困難であったりと、
当然、色々な要因により現在の街が出来ている。

坂の上の住居や住人は決して、
便利そうにも見えないし快適そうにも見えない。

気のせいかも知れないが、
すれ違う人達も高齢者が多い印象である。

色々な事情によりその場を離れない、
または離れることが出来ないように見える。

この離れる事の出来ない状況が、
辛うじて坂の街を維持しているようにも見える。

冬だったので窓や玄関戸は閉ざされていたが、
夏にはきっと、住居からの生活が、路地や坂にも零れ落ちる光景が目に浮かぶ。

坂や路地の途中には、
突然、とても古い大木が現れて、
建物や路地や坂を覆い一体となっていたり、
壁に挟まれていると思いきや、
突然、屋根になったり。

とにかく魅力的な要素が多々ある。

僕は数日、ただ歩き回っただけの感想なので、
色々な社会問題も含め、
魅力的な場であるとかでは簡単に語れないのかも知れないが、
何と言うか、街そのものが持っているポテンシャルをとても感じたのは事実。

この街が今後、どのように変わり、または変わらないのか、
興味が沸きました。

都市について、殆んど興味が湧くことが無かったのですが、
このような規模単位だと、何かのキッカケや関わり方が出来るような夢が持てます。

建物も幾つか見ました。
長崎市内だと、グラバー園の中の、
グラバー邸のトップライトとの出会い方や室内との関係が良かった。

大浦天主堂では、その横にある旧羅典神学校の階段は凄かった。

日本二十六聖人の教会と資料館も印象的な建築でした。

そして佐世保へ。

白井晟一の親和銀行本店・懐霄館を見学。
若いころ、何かの本で虎白庵の室内写真を見た。
とても惹かれた。
簡単な作品集を買い何となく眺めていた。
正直、よく解らないが惹かれると言った感覚で見ていた。

そんな白井晟一の実作を始めて体験した。
山本さんと言う建物の管理をしている方が丁寧に隅々まだご案内して下さった。
材料の事や当時の逸話や設計の意図など。

どんなにスゴイ素材であるとか、
どんなにスゴイ施工であるとか、
どんなにスゴイ美術品であるとか。

空間がどうとか、
構成がどうとか、
光と闇がどうとか、
様式がどうとか。

それらの事柄は事実としてそこにあるのだけれど、
見ている内に、そんなモノ達はどうでもよくなった。

とにかく全く理解出来ないのだが、
とにかく魅力的なのである。

当然、予約は必要であるが、
銀行として営業している建物を、
あれほどシッカリと見学させてくれるケースは稀だと思うので、
佐世保に行く事があれば、
是非とも体験して欲しい建築です。

僕は親和銀行を体験し、
益々「虎白庵」への想いが積るのでした。

かなりタイトな日程ではありましたが、とても楽しかった。
こういう機会をくださったJAI長崎支部の皆様、
ありがとうございました。



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