北海道佐呂間町を事務所と札幌市のアトリエを拠点に、北海道を代表する建築家・五十嵐淳のサイト。建築紹介、住宅設計・新築・マイホームに関するご相談などにも応える。

jun igarashi architects
illustration by Midori Kambara
© 2002-2009 Jun Igarashi Architects

Blog

201707«12345678910111213141516171819202122232425262728293031»201709

大石くんのオルドスレポート「最終回」


大石くんのオルドスレポートの最終回です。
建築を思考する幅は、色々とあっても良いと思います。
しかしそれが本質を捉えていないと、
建築は一気に辛いものになります。
大石くんも今回の旅で正しい目線に気がついたようです。
旅は人を成長させるのですね。

それにしても今回の旅、
僕も行きたかったです。。。


「本質を掴むということ」

敷地が大きく、延べ床も1000平米ということで、
その規模の内部空間を「住宅」
(「あらゆる空間と人間との関係性は住宅に内包される」
と思える程、私たちが
「住宅」と聞いたとき、無意識に頭に浮かべている
「空間」の密度は濃いものだと思います。)というレベルまでに、
しあげることが難しかったのかもしれません。

それは「住宅」であっても、その空間的密度を持たせにくい。
そのため、建物を俯瞰してみる方向に走り、
「箱」とその中の空間の大きさが一致しないという不思議な結末、
「彫刻的建築」という結果になったのかもしれません。

当たり前ではあるけれど、
建築は単純に拡大縮小してよいものではないです。
何故なら、人の大きさは変わらないからです。
にもかかわらず、
それが捉えきれていないようなものが多かった気がします。

もう一つには、様々な建築へのアプローチが見られたと思います。
中国の伝統建築である中庭を囲む形式
(四合院:東西南北に建物を配して中庭をとり囲む。)
から発展させるもの。
環境条件からデザインするもの。
現地の材料から発想するもの。
形態操作にとどまったもの。
意味不明なもの。

こうした着想までは理解できるのですが、
その後のプロセスに取り込む要素が、
アルゴリズム、
形態論、
なんかの方程式などと、
どうにもそれが建築をよくするのか
疑問になるようなものが多くあった気がします。
(なんとなく建築家の自己満足を感じるようなもの)

気に入った作品もいくつかありました。
何故かメキシコの方の建築は気に入っていました。
形態的なのですが、
その石のような塊のボリュームが、
あそこにあるイメージはしっくりきます。
風土が近いのでしょうか。
建築が生み出す雰囲気というものがしっくりきていました。

最も目を引いた作品は、シンプルなものでした。
(奇抜な建築群の中であったせいかも知れませんが。)
シンプルというのも、
外見だけという訳ではなく、
着想、
プロセス、
内部、
形態と、
一貫した思想が感じ取れるものです。

本質を得たものというか。
それが持つ力が強かった。

日本の考え方はこちらだと思います。

五十嵐さんの作品もまた、明快で豪快でした。
その敷地にある条件に対して、
1つ1つ応えていくというようなプロセスで、
他の人も採っている方法でしたが、
応え方がずば抜けて大胆です。

だからよく分かります。
それを評価している人は多かったです。
さらにはそこに、
建築家のこだわり(皮肉、ひねくれ。)も感じられ、
明快さとその混ざり具合がちょうどいい感じでした。
(高い天井をそれと捉えていますが、安易でしょうか。
「なんだかんだいって、これが魅力的なんだ!」
という人もいました。建築家の勝利ですね。)

全体的に面白いものでしたが、
あれ程多くの奇抜な住宅が100も並ぶと、
建築テーマパークです。
できた街を見てみたいとは思いますが、
建築酔いは避けられないかと思います。

オルドスにて、草原ツアーに行ったのですが、
草原とは、広がる大地があるだけでした。
構成はそれだけでしたが、
その表情の豊かさは、驚くほどでした。
単純であることと、複雑であることは、
けして相反することではないのだと感じました。

空間も同じだと思います。
本質を得ることが大事だと思うのです。
複雑な理論で武装することを、
宗教のようにやる必要はけしてないはずだと思います。

プレゼンの光景はなかなか壮観でした。
世界の若い建築家達100数十人が、
3重4重にプレゼンルームを囲んでいて、
その中心でしゃべる訳です。

ただ、アイ・ウェイウェイという人は狂っていますね。
さすがアーティストです。
そんなプレゼン中に寝始めて、
起きたと思ったら立ち上がって、
プレゼンルーム後方へ。
椅子を並べると、そこに寝転がって、
改めて寝むり始めました。
いびきをかいて。
これは失笑する以外ないです。

以上で終わります。


 

COMMENTS

COMMENT POST


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK

TRACKBACK URL

http://junigarashi.blog85.fc2.com/tb.php/236-d535822d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

||