北海道佐呂間町を事務所と札幌市のアトリエを拠点に、北海道を代表する建築家・五十嵐淳のサイト。建築紹介、住宅設計・新築・マイホームに関するご相談などにも応える。

jun igarashi architects
illustration by Midori Kambara
© 2002-2009 Jun Igarashi Architects

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コンペ最終審査終了。

3月19日(水)、事務所や現場で各業者と打ち合わせ。
その後、コンペのプレゼデータを確認。

3月20日(木)、午前7時に札幌へ出発。
午前11時30ころ到着し昼食を取る。
その後、札幌センチュリーロイヤルホテルへ。
明日のコンペ会場でサンピラーの西川さんと合流。
北海道工業大学の院生2人と蒲原さんにも来てもらう。
学生にはホテルのパソコンにデータを移し、プロジェクターを通して動作確認をしてもらう。
蒲原さんには表彰状のデザインをお願いする。
その他、細々と夕方まで打ち合わせ。
午後6時30より六花亭の小田氏や明日のスタッフの皆さんとお食事。
僕も六花亭側も不安と期待が同居している。

3月21日(金)、午前9時30に会場入り。
先ずはデータ確認とブログの動作確認を学生にしてもらう。
同時に各発表者の模型が巨大だったので置き場に困り、
急遽、会場レイアウトを1部変更する事に。
会場入口にはパネルも展示。
午前10時には発表者も会場入り。
各自にプレゼデータを確認してもらう。
午前11時にいよいよ開場。
来場者はパネルや模型を興味深げに見ている。
午前11時30分、いよいよ審査開始。

1番は、杉山 和也+福田 久展 (株)竹中工務店。
小さな規模ながらも家型の街路や中庭のような空間が同居する魅力的な案。
しかし外壁や屋根の仕上げ、厨房の天井が低く、しかもガラス張りである点など、
実施を見据えた上で見ると、配慮の足りない部分が多く目立つ。

2番は、當山 晋也 前橋工科大学 大学院。
1次のパネルでは読み込めなかった部分も、
模型とプレゼで明らかになる。
曲面ガラスにより、人口的な自然の1部を囲い込み、
その内部のみ叙所に自然に返って行くという思考は興味深いと思う。
曲面ガラスの施工費や本体部分の魅力が低く感じる。

3番は、石上 純也。
853案の中のガラス系の案で、最も魅力的なものであった。
プレゼの内容も浮世離れしながらも、無理なく実施可能な提案となっている。
構造やガラスも含めて、実際に立ち上がるリアルな姿を想像出来る。

4番は、許 光範(フリー)/稲村 輝(住友林業(株))/中西 康崇((株)NTTファシリティーズ)。
模型もCGなどの画像もとても美しい提案である。
しかも無理なく実施可能でありながらも、不思議で心地よい空間が想像出来る。
しかし仕上げや構造などを聞くにつれて、想像とのギャップを感じてしまう。
提案が良かっただけにその辺が惜しまれた案である。

5番は、勝又 洋 武市 章平 尾崎 悠子 (大成建設(株))。
最も無難な提案である。
が故に細かな配慮が最も必要であった案である。
屋根の勾配が、この提案の軸であるデッキに向かって流れている。
質疑の中でも軒の出以外の処置は考えていないという。
雨や雪など、もう少し普通のことを的確に配慮し提案に盛り込むべきであった。

6番は、 妻倉 慎司。
模型やプレゼは他の発表者に比べてやや物足りなさを感じた。
一方、構造や材料について実施を前提に良く練られていて好感が持てる。
しかし外装がステンレスであるという提案には共感出来ず。

7番は、中山 英之。
独特にスケッチによる誌的なプレゼは見事。
それと同時に実施を無理なく行える事が良く分かる。
さらに実物となって建ち現われた姿を難なく想像出来る。
誌的なプレゼでありながらも実施を完全に見据えた提案だ。
作品タイトルは気になるが、それ以上に決定的な魅力を感じる。

8番は、竹尾 昌(早稲田大学 大学院 創造理工学研究科)
テーブルを敷地全体に分散配置しながら色々な居場所を提案している。
プレゼの中で、テーブルの構造やディテールは提示されるも、
肝心のそれを支えるプログラムの提示がゼロに近い。
この提案でその部分が欠けてしまっては実施としては辛い。

9番は、古家 英俊 古家 俊介 坂本 真純 土井 幸子 松尾 暢子((有)デザインネットワーク)。
主にランドスケープ的な提案。
敷地全体から考えると少々大きすぎる。
それと肝心の販売スペースの建物に疑問が残る。

10番は、 水野 貴之 森安 洋幸(関西大学工学部 建築学科)
とても可愛らしい提案である。
同時に居心地の良さそうな内部空間が連続している。
しかしそこに完結している提案であるとも言える。
学部2回生とは思えない頑張りを見せていたのが好感。

11番は、大橋 祐介((株)竹中工務店)。
853案の中で、家型を使ったものが多かったのだが、
この案はその中で、最も簡単な操作により最も面白い家型であった。
規模などの点でも実施に無理が無さそうであった。
しかしプレゼを聞くと構造や仕上げ部分での詰めの足りなさを感じる。
とても惜しい案だあった。

12番は、池田 俊 有原 寿典 大迫 公生 渡辺 絵梨子(東京藝術大学 大学院)。
分散した家型が可動することにより色々な居場所が発生するという提案。
ムービーやモックアップを使い熱のこもったプレゼンテーションである。
しかし可動することの意味や実施での問題点などの考慮が少し物足りない。

13番は、関本 哲也。
とても美しい模型を提示。
しかしプレゼが進むにつれて、模型とのギャップばかりが目に付いてしまう。
木造では無理だったので鉄骨造に変更してキレイに解きましたと言われても、
実際に立ち上がった姿を想像するも模型で感じた魅力を見出せず。
仕上げの質感や色やディテールなどなど、
繊細な操作の積み重ねにより建築は良くなって行くのだと思う。
そういう視点からもプレゼにより違和感が増してしまった。

14番は、山下 孝典(神戸芸術工科大学 大学院)。
とてもシンプルな提案。
傘の下も至ってシンプル。
それ故に、可能性が限定されてしまう。
なのでプレゼではどのような可能性があるのか提示して欲しかったが、
視覚による体験的な説明に留まる。

15番は、小川 泰輝。
大きなプランターを地面に置き、その間に空間を作るという提案。
1次のパネルではその不思議な形体に惹かれた。
しかしプランターに植えた木が育つと、抜いて周りに植え替え、
また苗木をプランターに植えるというサイクルに、
環境問題や他の視点を加えても必然性や面白みを見出せず。

全てのプレゼを聞き終えて、オブザーバーの小田氏と別室へ移動。
意見交換し、僕は石上案と中山案のどちらかで迷う。
小田氏との話し合いで、六花の森には中山案が似合うとの結論に達し、
実施案を決定する。
優秀賞は自動的に石上案で決定。
次に六花亭賞は、小田氏の推薦により
古家 英俊/古家 俊介/坂本 真純/土井 幸子/松尾 暢子((有)デザインネットワーク)に決定。
もう1つは小田氏と僕の意見も同じで、
許 光範(フリー)/稲村 輝(住友林業(株))/中西 康崇((株)NTTファシリティーズ)に。
入賞には、個人的にとても好きな提案であった、
大橋 祐介((株)竹中工務店)と、
小田氏がプレゼに感銘を受けていた、
池田 俊/有原 寿典/大迫 公生/渡辺 絵梨子(東京藝術大学 大学院)となった。

以上で入賞の6点が決定する。

15案に優劣を付けるのもまたシンドイ作業であった。
しかしこの応募数の中から最後まで残ったのだから、
自信を持って今後も挑戦し続けて欲しいと思います。

コンペの要項を作り始めたのが昨年の夏。
年末に応募開始し、同時にホームページを開設。
1次締め切りの2月2日までのアクセス数が23万件。
その結果届いた提案が853案。
六花亭から応募案の数を連絡貰った時は正直驚いた。
と同時にどうしようかとも思った。
しかし審査員は僕1人だったので、
自分の臭覚を信じて提案を絞っていった。
初めに外してしまった案の中にも面白い提案があったと思う。
しかしそんな中でも何かしら心に引っかかる案だけが残っていく。
コンペとはそう言うものなのだと思う。

このコンペはあと4回、予定している。
今年のお題は、中山さんの建物が六花の森に完成してから考える事になっている。
これからの3ヶ月間、中山さんは大変だと思う。
しかし良い建築を見せて欲しいし、見せてくれる人だと確信している。

実施の経過や工事過程なども、随時ホームページにて報告の予定です。

皆さん、7月には是非帯広に来て完成した建物を楽しんで下さい。


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