北海道佐呂間町を事務所と札幌市のアトリエを拠点に、北海道を代表する建築家・五十嵐淳のサイト。建築紹介、住宅設計・新築・マイホームに関するご相談などにも応える。

jun igarashi architects
illustration by Midori Kambara
© 2002-2009 Jun Igarashi Architects

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藤本建築を2つ見学。

先日、藤本建築を2つ見学してきました。
スタッフの青木くんにご案内頂いた。

朝、赤坂で元スタッフに車に拾ってもらい武蔵美へ。
学校の駐車場から進むと色々な施設に挟まれるような場所に図書館が建っていた。

藤本図書館1

以前、藤本事務所で巨大な模型を見ていたが、
ファサードのイメージが全く無かったので、
実物を見て、あぁーこんな感じに仕上がったんだと思う。

ガラス割りや止め方、背後の書棚など違和感を感じつつも、
その過激で見たことの無い建築が目の前に存在している事実との、
差を頭の中での摺り合わせる。

藤本図書館2

内部へ入ると1階はエントランスホールのような空間のみがあり、
その他の空間は事務スペースや書庫などの機能。
2階へ上がるとやっとスパイラル状の書棚空間を体感出来る。

書棚には手の届く範囲にのみ書籍が置かれ、
それ以外は空の状態。

書棚を含めて、壁に存在する棚や収納などは、
主張する素材などと同じくらいに壁を彩ることが可能だ。

この棚に囲われた回遊する空間に魅力を最大限に引き出すためには、
やはり全ての棚に書籍がビッシリと詰まっていて欲しい。
それらを梯子に登りながら検索する学生の姿なども想像すると素敵だ。

しかし梯子は危険だなどの日本的な指摘が必ず巻き起こるだろうから、
本物の書籍は置けないのだろうが、
フェイクの書籍の小口ででも埋め尽くして欲しい気がした。

新たな建築や空間に挑戦した時、
色々な軋轢が生じることがあるし、
全てを相対的な目線で客観視せずに、
違和感だけを唱える人も居るだろう。

しかしこうして生まれた今までにあり得なかった空間に対し、
もっと温かく、そして前向きに生き生きとした、
素晴らしい利用法を検討していって欲しいと思った。

武蔵美を後にアパートへ向かう。
途中、ファミレスで昼食を食べながら軽くビールを飲む。
蒸し暑い中でのビールは美味い。

近くに車を止め、少し歩くと、
あり得ない光景が見えてくる。

藤本アパート1

近所のおばあちゃん達も興味深深のよう。
現物を見る前はもっと凄まじい状態で街に対して
建ち現れているのかと思っていたが、
実際はむしろ周辺の雑多さと馴染んでいるように思った。

藤本アパート2

各住個への階段が飛び交っている。
その階段の向こうにも街に対して、
色々なモノが飛び交っている。

藤本アパート3

住人やお施主さんを含め、
今後、迫力を増していくと良い。

2つのあり得ない光景が出現していた。
しかしこの過激さは一見幼稚にも見えるかも知れないが、
その背後には沢山の夢が広がっているようにも見える。

建築の評価は色々とあると思うが、
このような姿勢を否定することは決して出来ない。

今後も定点であり続けて欲しいと思った。

四国建築巡り 最終日 高松城・披雲閣

ホテルをチェックアウト後、
丹下健三氏の香川県立体育館へ。

香川県立体育館

正直、これが何なのか僕には理解出来ないが、
平面の動線計画はシンプルで合理的に出来ている。

香川県立体育館2

2階に上がると体育館とスタンドが配置されている。
この建物は体育館なので、
この空間を前提に建物全体の形態が生れたのか、
それとも同時に全てが進んだのか・・。
ロボット巨大亀に見える。
建物の池には亀が泳いでいる。
シャレなのだろうか・・・・。


今回、最後に見たのが、
「高松城・披雲閣」です。

この建物も新建築社が2005年11月に出版している、
「日本の建築空間」に載っています。(P212)

1917年に竣工し、延床面積1,887㎡と言う大きな建物。
大書院などは木造トラスにより広々とした空間を獲得している。

そして何よりもガラスの登場した瞬間に、
文明が建築を大きく変えた瞬間に出会うような空間。

披雲閣1.jpg

外部に面する全ての開口がガラスで出来ている。

披雲閣2.jpg

蘇鉄の間。

披雲閣3

大書院。

披雲閣4

大書院は3重入子になっている。

披雲閣5

襖により3室に分割も可能。

披雲閣6

ガラスから入る光が障子により、
少しづつ拡散光に変化する。

披雲閣7

可変する建具による入子空間。

披雲閣8

ガラス越しに見る庭。

披雲閣9

写真の多さで解って頂けると思いますが、
良かったです、「披雲閣」。。
コンパクトデジカメでは良さをお伝えするのは無理で、
動画などでこの良さの感覚をお伝えしたいくらいです。

文明が空間を変えた瞬間に出会える建築はそうは無いでしょう。
本当に素晴らしかったです。

かなりの勢いで簡単な説明による、
四国建築巡りの報告となりましたが、
色々考えることも多く、
それぞれに文章にしていくと、
業務に支障が出てしまうため、
簡単なレポートにしました。

それにしても四国、また行きたいです。




四国建築巡り 5日目

早朝ホテルをチェックアウトし、
林雅子さんの海のギャラリーへ。
150キロくらいなのでそんなにかからないと思っていたら、
四国の道路事情は思いのほか悪く、
予想以上に時間がかかる。

海のギャラリー1

コンクリートによる折板の屋根が真っ白に塗装され浮かぶ。
不思議な佇まいである。

海のギャラリー2

内部は独立した折板屋根の間にアクリルのドームがあり、
空から光が降り注ぐ。
1階は海中の暗がりに居るような感覚で、
2階に上がると一気に照度が増し、
水中から太陽を眺めるような感覚になる。

海のギャラリー3

天井は鮮やかなエメラルドブルーの塗装で仕上げられている。
時間はかかったが行けて良かった。

牧野富太郎記念館1

再び高知市へ戻り、
内藤廣さん設計の牧野富太郎記念館へ。
これも行って解った事だか、面と裏のデザインに割り切りが凄い。
2つの棟に分かれていて、
それらを回廊で結んでいる。
植物園も素晴らしく、
建物もそれらと馴染んでいる。
場の作り方がとにかく上手に出来ている。

牧野富太郎記念館2

構造は木と鉄のハイブリット。
葉の裏を見るような架構。
植物園も含めて羨ましい施設です。

坂本竜馬記念館

次にワークステーション設計による、
坂本竜馬記念館へ。
コンペ時の印象そのままのエレベーションでした。
内部の展示と空間があまりにも無関係だったのが残念。

高知を後に再び高松市へ移動。
高速道路は楽ですね。

四国建築巡り 4日目


朝ホテルをチェックアウト後、
レンタカーを借りて建築見学へ。
先ずは丸亀まで移動し、
東山魁夷せとうち美術館へ。

東山魁夷せとうち美術館

谷口さん設計です。
瀬戸大橋の巨大さに圧倒されつつ、
現れた美術館のスケール感に先ず驚く。
恐ろしくコンパクトに見えるが、
内部に入ると適切な空間。
豊田市の美術館でも思ったが、
このスケール感だけで、
風景や敷地を異化してしまう強さがある。

猪熊弦一郎美術館

次に同じく谷口さん設計による、
猪熊弦一郎美術館へ。
こちらも大きいようで小さいような適切なスケール。
正面の壁画はペイントかと思っていたら、
白い石に黒い石が嵌め込んであるのには驚いた。
内部はシンプルな動線計画ながら、
何故だか良いな思ってしまう。
駅前の空間がそのまま入り込んでくるかの様な、
階段から突当たりのカフェに面した中庭も心地よい。
谷口さんの美術館はどれも、
他を寄せ付けない圧倒的な安定感がある。

斉藤さん事務所

次に前日の懇親会で一緒に飲んだ、
斉藤正さんの事務所のオープンハウスへ。
http://www.koshiki.net/
田園の中にポッと不思議なヴォリュームで建っていました。
温室が併設されていて、
今後、色々な植物が育てられるようです。
1階にはギャラリースペースやショップなどもあり、
色々と羨ましいオフィスでした。

金毘羅山プロジェクト

その後、金毘羅山へ。
到着後、うどんを食べて、
ひたすら階段を上る。
途中、資生堂パーラーのカフェでお茶して、
再び登るとやっと鈴木了二さんの建物が見えてくる。
基壇部分に現代の必要機能を集約し、
上部に伝統的な建築を装いながらも、
新しい建築がのっている。
この建築がこの長い年月を経過してきたこの場において、
100年後どう言う価値を見出せているのか、
とても興味が沸くし見てみたい気がした。。

金毘羅山を後に、高知へ移動。
高速を使うと以外と近かったです。



四国建築巡り 3日目


朝9時15分のフェリーで高松に戻る。
ターミナルで後藤さんと合流し、
「ジョージナカシマ記念館」へ。
ここは桜製作所が運営している記念館で、
ジョージナカシマの家具はここで製作されている。
素晴らしい家具ですが、
高価なので中々手が出ない・・・・。。

桜製作所ウェヴ1

写真は銘木のライブラリーとも言える倉庫。
その壮大で膨大なストックに感動。
こんな光景は中々見れないと思う。

その後、香川名物のうどんを堪能し、
イサムノグチ庭園美術館へ。

和泉正敏邸ウェヴ1

到着後、和泉正敏さんご本人でお会いでき、
和泉さんのアトリエと、
イサムノグチ日本財団の事務所を見学。
古い木造家屋を上手に使っている。
2階にはイサムノグチの照明がぶら下がる。

和泉正敏邸ウェヴ2

次に和泉さんのご案内で、
和泉邸を見学させて頂く。
これは以前、JAから出版された、
「モダン住宅2」にも収録されていて、
見たい見たいと思っていたら、
まさかご本人に案内して頂けると言う幸せな見学。
空間に感動しました。

次に庭園美術館を見学。
これらも古い木造倉庫を上手く使い、
素晴らしい空間が設えられている。

最後にイサムノグチ邸を見学。
しかも内部も見学させて頂け、
空間に身を置ける幸運。
あまりの興奮に写真を撮るのを忘れる・・。
古い民家をほんの少しだけ改修しただけの空間なのに、
なぜこんなに良いと思ってしまうのか不思議なくらい。
イサムノグチは春と秋にだけこの空間に身を置いたと言う。
何となくその気持ちが解った気がした。

興奮冷めやらぬままに、
講演会の会場に入る。
データの不備でスタートが送れてしまう。
しかし皆さん熱心に最後まで聞いて頂けて感謝。
終了後、香川建築士会の若い方々と懇親会で遅くまで飲む。
地方同士で色々な話が出来、
とても色々と勉強になった。

この日もハードな日程ながら、
刺激的な1日でした。


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